快適性


 日射について

 「日当りの良い家が欲しい。」と言われる方が多くいます。南側に大きな窓を・・・。本当に大丈夫?室内が熱くなりすぎることはありませんか?寒さ対策は大丈夫?結露対策は大丈夫?本当は様々な検討をして窓を設計しなければならないのです。安易に南側に大きな窓を付けてはいけません。

 「そよ風が入る家が欲しい。」確かに気持ちが良い家ができそうです。これも本当は窓を開ければ良いという問題ではないのです。敷地周辺の風向き、部屋のプランニング、窓の高さ、大きさなどなど多くの検討項目が有るのです。

 断熱、気密性能について

 断熱性能、気密性能などよく聞くと思います。日本の気候に合った家を建てたい。「夏は涼しく、冬が暖かい家が欲しい。」とよく聞きます。私たち設計者は常にそう考え家つくりをしています。しかし、数値ばかり追いかけているだけでは、本当の住み心地と離れてしまう場合が有ります。気を付けましょう。

             

こでは、実際に既存住宅を改修した実例を紹介し、断熱気密性能について考えていただきたいと思い紹介いたします。

 K邸(伊那市)断熱改修工事 設計のポイント

 平成元年に建てた離れが冬季に配管が凍て浴室、洗面所が使いえないので見てほしい。と依頼があった。現地に行って、まだ新しい家を見せていただいた。外観、内観を見ても信じられない。しかし、天井裏に上って調査した。信じられない光景が、そこにあった。「嘘だろう!」こんな施工があって良い物か。施主に、誰が建てた建築か尋ねてみた。知り合いの個人大工さんらしい。一度、「冬が寒い」と相談したそうだ。「断熱も完璧で、そんなはずはない。」と自信を持って言い返されたという。

 「断熱とは」どのようにすれば良いか、わかっていないのである。単純に断熱工事を施工した。というだけではお金を掛けただけで効果が出ないのである。皆さんも断熱材を使えば暖かい家になると思っているのではないか?そこが一番の問題の箇所だ。

※ 同じ材料を使っても施工方法で全く結果が違ってくる。断熱効果が全然違うのです。・・・ことを知ってほしい。

★ 現在新築設計の家は環境性能表示を行っています。自分の家がどのくらいの性能の家か、自然のエネルギ-をうまく活用して快適な暮らしがどこまでできるのか?「数値ばかりの性能を上げてどうするのか?」とご批判の方もいると思いますが、何故?性能を評価するのか?自分の家の性能を知っていてこそ快適な暮らし方ができるのだと思います。

  当事務所では設計の段階で風向きや気候変動が及ぼす影響など様々な角度から建築を考え設計しています。太陽光パネルを設置すれば環境に配慮した家とは言えません。何故、必要なのかを考え選ぶ必要が有ります。断熱改修や耐震改修の際にもその家の性能を評価して今後の暮らしぶりを豊かにする提案をしております。