地震発生後、復興への道のり

    あなたは、地震発生した時から復興への流れを知っていますか?熊本地震の際、被災地では初期の対応が非常に遅れました。皆さんも報道等でご存知と思います。できるだけ早く元の生活に戻る為には自分たちがどのように復興して行くのか?よく理解しておく必要があります。私も全てわかってはいませんが、今まで阪神大震災、中越地震災害、西日本大災害、栄村地震、神城断層地震などの被災地を目の当たりにして、いざと言う時の対応を理解しておくほど、復興にいち早く向かうのではないかと感じています。上の図は、地震発生後の流れを書いたフローチャートです。地震が発生すると、まず優先されるのが皆さんが避難される避難施設が使えるのか?と言う判定があります。(地震発生後8時間以内)これを行うのが、応急危険度判定士という資格を持った設計士が行ないます。引き続き、被害が大きい建物(民間の建物)から応急危険度判定を行います。皆さんテレビなどの報道で見たことがあると思いますが、赤いステカーや黄色のステッカーを貼って判定を行う作業が始まります。(1、2週間ぐらい、被害の規模によります。)さらに、罹災証明を発行するための調査に入ります。(この作業が複雑で時間がかかります。しかし、重要な調査です。)この調査判定は、この結果によって仮設住宅や避難施設の入居の順番が決まります。また、助成金の額も違ってきます。熊本地震の時は、この作業が遅れました。これらの調査の判定は、建築士と行政が協力して行わなければなりません。しかし、行政も設計士も大きな地震が来れば本人が被災してしまいます。熊本地震で遅れた一番の原因は、これが原因でもあります。①避難施設の応急危険度判定、②民間建物の応急危険度判定、③罹災証明発行のための1次判定、④罹災証明発行のための2次判定・・・と優先順位があるのです。この流れは世間の方々に伝わっていません。被災して初めてこんな流れが有るんだと気が付くわけです。今回もそうでした。特に罹災証明という手続きが有ることや、調査方法などのノウハウがわかる人がいなかったということです。行政関係者、建築士の中でも理解している人は少ないと感じています。この事はいち早く復興に向かうかどうかと言う最も重要なポイントです。